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国立劇場おきなわ 令和5年10月企画公演      令和5年度(第78回) 文化庁芸術祭主催公演

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海を渡り台湾で継承される

​伝統音楽〜南管〜

台南 振聲社 / 麻豆巷口 集英社

文化監修 鄭恵中 / 司会 青木由香

​インフォメーション

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9月1日発売開始

【企画の趣旨】

琉球王朝時代、琉球王国は中国、日本、東南アジアとの交流を通じて多様な文化を育んできました。13世紀後半からの冊封関係により、琉球は中国から政治制度、技術、生活様式、風習などの要素を受け入れました。中国の楽器や劇も琉球に広がり、宮廷音楽には中国の室内楽の影響が感じられる「御座楽」が取り入れられました。楽器には二胡や琵琶・月琴といった中国の楽器が使われ、歌詞は中国語で歌われました。宮廷音楽は儀礼や信仰の場で重要な役割を果たし、来賓をもてなす際の芸能として洗練されました。

当時の琉球王府は、中国から伝えられた儒教の影響を受け、東南アジアや朝鮮半島との交易を通じて多様な文化に触れました。これらの影響は琉球独自の文化や行政形態の形成に寄与し、国づくりの基盤となりました。儒教の理念に基づき、中国の政治制度や思想を含む各国の要素を取り入れて国を築く基礎を固めました。

しかし、薩摩侵攻や琉球処分、廃藩置県により琉球王国は消え去り、沖縄県が新たに設けられました。第二次世界大戦で歴史的な資料が失われましたが、宮廷音楽の復興と文化の再生への努力は続けられています。これらの努力は、かつての国際交流の成果が現代に繋がる大切な遺産として続いていることを示しています。

南管音楽は「弦管」、「南音」、「南楽」とも称され、中国福建省の閩南語系地域で盛んに演奏されていました。明朝時代には既に発展し、閩南地域の代表的な音楽となっていました。これは中原古楽の遺跡を持ちながらも、民間音楽として成熟していました。南管音楽は閩南系移民によって台湾、香港、マカオ、東南アジアに広まり、2009年にはユネスコの無形文化遺産リストに登録されました。この音楽は、康熙皇帝の前で演奏されるなど、「御前清客」と称される雅称を持つほど重要で、古風なメロディや唐宋制の楽器が特徴で、多くの曲が伝承されています。

明清時代には、南管音楽が台湾に伝わり、台湾漢民族の中で最も古い伝統音楽となりました。この音楽は歴史的な出来事や民間の伝承を題材にし、台湾の伝統文化や歴史を象徴しています。琉球王府の御座楽演目にも「太平歌」があるが、南明時代の福建地域で発展した南管音楽と、琉球王府の御座楽は、お互いに影響し合った可能性が考えられます。

この企画公演を通じて、琉球の歴史や文化に対する近隣諸国との関心を高め、社会に前向きな活力をもたらし、家族が幸福で、世界に平和のメッセージを発信することを目指しています。

你好我好有限公司;伊禮 武志

【アジア・太平洋地域の芸能】
~台湾で脈々と受け継がれる南管音楽~

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